02 特 集 特集 令和6年度 施政方針と予算 基本方針 ~「世界で一番住み続けたいまち」の実現に向けて~ 芦屋市長 髙島崚輔 市長就任からまもなく1年が経過します。「対話を中心としたまちづくり」を進めるため、市民の皆さまと顔を合わせて対話することに努めてきました。市役所の外で参加したイベント・訪問した施設は合計で300を超えました。集会所で実施した対話集会には、約200人ものご参加をいただき、改めて、芦屋市民の力、芦屋愛を再確認しました。 対話を心がけたのは市役所の中でも同じです。市民のため最前線で尽力する現場と向き合い、現状の把握と取り組むべき課題、そして目指す未来を共有してきました。 市長就任2年目に当たる令和6年度は、これまでみんなで蒔いた種が芽吹く1年です。人口減少と高齢化、新型コロナウイルス、混沌とする世界情勢による原油価格・物価高騰。こうした中でも、芦屋らしく前向きに進んでいきたい。芦屋ならできる。芦屋市民になら、できるのです。 「何歳になってもいきいきと活躍できる芦屋」「圧倒的に子育てしやすい芦屋」、そして「最高の学びができる芦屋」を、市民の皆さまとともに創り上げてまいります。 予算はあくまでスタートです。予算を活かせるかどうかは、私たち市役所と、そして何より、市民の皆さまにかかっています。ぜひ、この予算に息を吹き込んでください。今回進める施策が、息の長いものであり続けるように、賢く使い、守り、発展させてください。 私たちは、誰よりも芦屋のことを考え、誰よりも芦屋のために行動し続ける。そのことを改めて固くお誓い申し上げます。引き続き、ご支援とご協力を賜りますよう心よりお願いいたします。 問い合わせ 政策推進課☎38-2127 主な事業と取り組み 子育て・教育 ◆乳幼児等医療費助成制度およびこども医療費助成制度の拡充(4億3,772万2千円) 令和6年7月1日から、制度の対象年齢を高校生相当の方まで引き上げるとともに、1歳から中学3年生までの方の所得制限を撤廃 ◆産後ケア事業の拡充(1,377万円) 対象要件と対象年齢を1歳まで拡大し、自己負担額も軽減。自宅への訪問型を新設。(詳細はP6を参照) ◆保育システムの導入(221万7千円) 市立保育所・認定こども園で保護者がスマートフォンで登降園の出欠連絡を行うこと等が可能 ◆不妊治療ペア検査助成事業(57万4千円) 医療保険適用外の不妊検査に要した費用の7割を助成。こどもを授かりたいと希望する夫婦が、 早期に一緒に受診・検査することで、不妊の原因を発見し、効果的な治療に繋げ環境を整備 ◆すべての市立小中学校体育館への空調設置に係る設計業務(3,574万5千円)  避難所にもなる体育館の環境改善のため令和7年度内の整備を目指す ◆いじめ未然防止対策事業(284万7千円) 教職員の対応力・組織力向上研修を実施。いじめは人権侵害として許されないことを法的な視点から学ぶために弁護士が行う授業を小5~中3で実施 ◆中学校部活動の地域移行検討事業 (252万円) 試験的に地域部活へ移行する部活を選定 し、担い手として指導者等を配置 ◆教員の働き方改革 「学校業務改善推進委員会」を新設。現場に根ざした働き方改革を有識者と実施 福祉・防災 ◆物価高騰重点支援給付金支給事業  (9億974万1千円) ◆精道・潮見圏域の高齢者生活支援センターを1カ所増設(1,601万9千円)  より市民に身近な相談ん窓口を増設 ◆公園施設(トイレおよび遊具等)改修事業(7,864万3千円) ◆ブランディングエリア活性化事業 (800万円) 茶屋さくら通りを中心に、歩行者天国など道路空間等を利活用した社会実験や地域オンライン会議を行い、地域主体でまちの未来ビジョンを策定 ◆防災行政無線システム更新・防災情報システム導入事業(3億7,100万円)  大規模災害の時の情報収集・伝達力を強化 ◆1.17あしやフェニックス基金事業の拡充(144万4千円) 阪神・淡路大震災から30年を迎え防災の啓発等、災害に強いまちづくりを促進 みらいの都市づくり ◆住生活基本計画の策定業務(1,011万9千円) 「世界で一番住み続けたいまち」を実現するため、住宅マスタープランなどの4計画を一体化した「住生活基本計画」を策定 ◆JR芦屋駅南地区市街地再開発事業  (18億1,657万4千円)  特定建築者を公募等、事業完成へまい進 ◆地域公共交通実証運行支援業務 (2,425万5千円) バス路線から離れている山手地域で、デマンド交通等の実証運行の実施に向け検討 ◆一般廃棄物処理施設の広域連携 神戸市とのごみ処理の広域連携実現に向け、地元の意見なども踏まえ、経費負担や災害対応、連携手法などを協議 予算編成 一般会計は、469億6,400万円で7.4%の増加 問い合わせ 財政課☎38-2011 歳 入 歳入の柱である市税収入については、評価替えに伴い固定資産税は増加しますが、国が示した経済対策による定額減税の影響で個人市民税が減少しますので、市税全体では、減少する見込みです。 なお、定額減税による減収分は、地方特例 交付金の増加により補てんされます。 一方、繰入金、国庫支出金、県支出金は それぞれ増加する見込みです。 ■依存財源とは  国や県が関わる収入のことで、補助金や地方交付税・市債などがあります。 ■自主財源とは  地方公共団体が国や県に依存せずに独自に調達できる収入のことで、市税や使用料などがあります。 歳 出 公共用地取得費特別会計繰出金、物価高騰重点支援給付金事業、行政ネットワークシステムの更新事業に要する経費の増加などにより、歳出総額は昨年度より増加しています。 令和15年度までの財政収支見込み 収支の状況 以下の表は、令和7年度から令和15年度までの、市税などの一般財源額(歳入)と、その一般財源でまかなうべき経費(歳出)、歳入歳出差引額(△の場合は収支不足額)および基金残高の見込みを示したものです。社会保障関係経費の増加や、 インフラ施設や公共施設の老朽化対策等に加え、社会経済情勢の変化に伴う物価高騰や人件費の増加により、令和15年度までの収支不足額の合計は106億円となる見込みです。 この不足額は基金で補てんすることになります。 【収支の見込み(一般財源ベース)】 (単位:億円) 年 度      7  8  9  10  11  12  13  14  15  合計 歳入       287  287  285  281  300  278  272  272  269  - 歳出       305  304  293  293  294  291  287  287  283  - 歳入歳出差引   △18 △17 △8  △12 6   △13 △15 △15 △14 △106 基金残高     109  93  84  72  78  66  51  36  22  - ※基金残高は、新行財政改革の影響額を反映した後の金額です。 これからの財政運営 長期財政収支見込みは、令和6年度予算を基本に見込んでおり、実際の決算よりも厳しく見込んでいます。とはいえ、基金残高は減少傾向が見られるため、今後も、働き方改革などによる生産性の向上、市民サービスを考慮した上での民間事業者の活用、公共施設等のLED化・省エネ化による経常経費の削減、既存公共施設の今後のあり方の検討、未利用土地の有効活用・売却、国・県の補助事業の活用など、引き続き新行財政改革を進め、安定的な財政運営を図っていきます。 ピックアップ Ashiya PEACE プロジェクト 『ちょうどの学び』とそれを支える環境づくり 個性や特性、興味関心、理解度等を踏まえた一人ひとりにとって公正かつ最適な「ちょうどの学び」を実現するため、与えられた内容を受動的に学ぶのではなく、「なぜ学ぶのか」を自分なりに納得した上で自発的・自律的に学べる環境づくりを進めます。また、不登校等の学びづらさを抱えた児童⽣徒に寄り添い、「誰ひとり取り残さず」学びに接続する取り組みも進めます。 ◆探究的な学び推進事業(277万8千円) 市内教職員による主体的な研究チーム「ONESTEPpers」を設立し、先進自治体の実践を学び、有識者の助言を得ながら、公正で個別最適な学びのあり方を研究 ◆心のケア支援推進事業(1,123万7千円) 市内全小中学校を対象に、校内の不登校の傾向がある児童生徒へのアプローチや学習補助等により学びとのつながりが途切れないようにするため、「PEACEサポーター」を配置 ◆不登校児童生徒支援事業(1,229万4千円) のびのび学級に専門性のある主任指導員(臨床心理士等)を配置。運営計画の策定や指導員のマネジメント、PEACEサポーターへの助言等を実施