(4)(5) 広報あしや 平成31年(2019年)4月1日号 No.1249 次の時代に残していくもの     新しい時代に引き継ぎたい 芦屋の平成 「平成」という時代が終わりをむかえようとしています。 昭和から平成、そして新たな時代へ残していきたい芦屋の文化・芸術・文化財を振り返ります。 問い合わせ 生涯学習課 ☎38-2115 芦屋の平成 文 学 昭和63年(1988)10月 芦屋市谷崎潤一郎記念館開館  「春琴抄」「陰翳礼讃」などで日本的な美意識を開花させた文豪、谷崎潤一郎(1886~1965年)。  谷崎は1934年から2年半、兵庫県武庫郡精道村(現・富田砕花旧居)で暮らし、神戸市へ転居した後も代表作「細雪」の舞台を芦屋に設定するなど、生涯この地に愛着を抱き続けました。  当館は、昭和63年(1988)年10月8日に開館して30年。遺族から寄贈・寄託され、または購入した直筆原稿「武州公秘話」や心情あふれる恋文、親交のあった版画家の棟方志功の美術作品など、12,000点を超える貴重な資料を収蔵しています。 年4回の特別展・通常展のほか、書斎を再現したコーナー、谷崎好みの日本庭園で谷崎文学の香気をお楽しみください。 芦屋の平成 美 術 平成3年(1991)3月 芦屋市立美術博物館開館  芦屋市立美術博物館は、平成3年(1991)に芦屋市制施行50周年記念事業として開館しました。以来、美術部門と歴史部門を併せた総合施設として、具体美術協会会員や小出重の作品など芦屋ゆかりの美術家を中心に、近現代美術の作品や、芦屋の自然や歴史に関する文化財・考古資料などを、収蔵し展示しています。 皆さんに親しまれる身近な文化施設であり、子どもたちが本物に接し、感動する手助けとなる美術博物館を目指しています。 芦屋の平成 文化財 平成23年(2011)2月 会下山遺跡 国指定史跡に  三条町にある会下山遺跡は、弥生時代の高地性集落跡です。昭和29(1954)年に山手中学校の生徒によって発見され、その後の発掘調査で竪穴住居跡や高床倉庫跡などがみつかっています。これらの調査成果から、弥生時代の社会や生活を知る上で重要な遺跡として、平成23年2月7日に国指定史跡となりました。  また、平成13年に会下山の麓にある芦屋市役所三条分室内に設けられた三条文化財整理事務所では、会下山遺跡をはじめ市内の遺跡から発掘された土器や石器などを展示しています。 三条文化財整理事務所で    芦屋の歴史を学ぼう! ■日時 毎週月・木曜日午前10時~午後4時 ■会場 三条文化財整理事務所  (三条町39-20) ■内容 市内遺跡の出土品の展示、体験コーナー「土器に触れてみよう」「芦屋のお宝マグネットづくり」など。 ■問い合わせ  生涯学習課 ☎38-2115  三条文化財整理事務所 ☎23-1175 芦屋市 平成のできごと(文化・芸術・文化財) 1989 平成元年 ▼ヨドコウ迎賓館一般公開開始 ▼第1回あしや秋まつり開催 1990 平成2年 ▼市指定文化財第1号として親王寺所蔵考古資料一括と旧三条村共有文書一括を指定 ▼富田砕花賞を創設 ▼市制施行50周年 1991 平成3年 ▼市立美術博物館オープン 1995 平成7年 ▼阪神・淡路大震災 2000 平成12年 ▼市制施行60周年 2004 平成16年 ▼総合公園完成 ▼「芦屋庭園都市」を宣言 2005 平成17年 ▼親水西公園・潮芦屋緑地・潮芦屋ビーチ完成 2009 平成21年 ▼全市域を景観法「景観地区」に指定 ▼旧松山家住宅松濤館(図書館打出分室)が国登録有形文化財に登録 2010 平成22年 ▼市制施行70周年 2011 平成23年 ▼会下山遺跡が国指定史跡に指定 2012 平成24年 ▼芦屋川の文化的景観を市指定文化財に指定 2017 平成29年 ▼旧芦屋郵便局電話事務室(芦屋モノリス)が国登録有形文化財に登録 2018 平成30年 ▼芦屋仏教会館、カトリック芦屋教会を市景観重要建造物に指定 ▼芦屋仏教会館が国登録有形文化財に登録 2019 平成31年 ▼ヨドコウ迎賓館リニューアルオープン 新たな時代へつなげたい      芦屋文化と「阪神間モダニズム」  平成3年に開館した芦屋市立美術博物館など、六甲南麓の四つのミュージアムが合同で開催した「阪神間モダニズム展」(平成9年)は、近代建築の遺産に対する市民の関心を高め、旧芦屋郵便局電話事務室(芦屋モノリス)や、作家・村上春樹氏が通ったという市立図書館打出分室が国の登録有形文化財に登録された。  モダニズム期に芦屋で育った音楽家、貴志康一を顕彰する動きも盛んとなり、康一の指揮によりベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で初演された交響曲『仏陀』が9月14日にルナ・ホールで演奏される。  ベルリンフィルを指揮した芦屋在住の世界的指揮者、佐渡裕氏は今年1月、同ホールでタクトを振った。  平成12年には近代俳句文芸の殿堂「虚子記念文学館」が開館。芦屋を舞台にした小川洋子氏の小説『ミーナの行進』(平成18年)が谷崎潤一郎賞を受賞し、芦屋生まれのエッセイスト須賀敦子の評価は高まる一方だ。  古典芸能の世界では、文楽を代表する人形遣い・吉田簑助氏が文化功労者に、同じく芦屋在住の吉田和生氏が人間国宝に認定された。 河内 厚郎 氏 (かわうち あつろう) 文化プロデューサー 芦屋市の市民センター・公民館・ルナホールの事業運営を行う。「阪神間モダニズム」の名付け親であり、阪神間の文化を再発見し、さまざまな文化事業の企画・文筆活動・ 講演活動等を展開している。 『芦屋の近代建築』    を刊行しました  戦前の阪神間モダニズムの中で築かれた芦屋の 近代建築を紹介するパンフレットを刊行しました。 A5版/33ページ/フルカラー 生涯学習課で配布しています。 (おひとり1冊まで) ぜひご覧ください! 問い合わせ 生涯学習課 ☎38-2115 ■あしやトライあんぐる放送時間 特集:#7119は「救急相談ダイヤル」 ①午前9時②正午③午後3時④午後6時⑤午後10時〈15分〉  [問い合わせ]広報国際交流課 ☎38-2006